【間取り】戸建て総二階4人家族の間取りを考える

建築日記

総2階はメリットだらけ

これから家を建てようとする方の中には、様々なメリットがある総2階で建てようと検討している人は多いと思います。特に2011年の東日本大震災以降は、耐震にも考慮した家作りはマストになっていますので、今後はますます、総2階で建てようという人が増えるでしょう。

総2階の家は格好悪い、安っぽいなどと思っている人も結構いるとは思いますが、構造上も安定性が高く形がシンプルなので材料も無駄なく少なくて済むため、建築コストも下がる機密断熱面でも有利維持コストも安く済むなどメリットだらけなので、外観デザインや間取りによほどの拘りがなければ、総2階を前提に家作りをすることで、様々な恩恵が受けられます。

総2階を前提に間取りを考える

私も家の間取りを考えながら色々と調べていくうちに、総2階をベースとして検討を進めようと、確固たる軸ができました。このおかげで間取りの検討が楽になったことも、大きなメリットだったと感じています。

シンプルな家の形状に合わせて間取りを組むというのは、一見縛りが多く大変そうに感じるのですが、逆に縛りがある分、無理なものは無理と割り切れる理由付けにもなります。そうした軸がなければ、何度も間取りをいじくり回して複雑な導線になったり、デコボコした外観や屋根形状になったりと、どんどん泥沼に嵌っていきます。

総2階という大きなメリットを軸に、その形状を逸脱しない範囲で希望の間取りを検討する。設計士さんにお願いする場合でも、総2階を前提に提案してもらうと、良い提案が得られる可能性が高まるでしょう。実際は土地の形状や広さの影響で難しい場合もあるかと思いますが、総2階もしくはほぼ総2階で建てられれば、上記のような様々なメリットを享受できます。

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4LDK、総2階をベースに検討

我が家は夫婦子供二人(長女5歳、長男3歳)の4人家族なので、新居の間取りは漠然と3LDKもしくは4LDKで検討していました。夫婦の寝室と子供部屋2つ、LDKと水回り。これで3LDK。できれば妻の仕事兼趣味部屋がほしい。これで4LDK。我が家の間取り計画は、これをベースに進めていきました。

我が家の場合、土地は約30坪建ぺい率50%/容積率100%ですので、延床面積は30坪程度、1階と2階合わせておよそ100平米くらいの広さになります。この程度の広さですと大人2人子供2人の4人家族ではあまり余裕がありませんので、建てられるぎりぎりまで頑張って広く間取りをとりたくなりますよねw

しかし、建物が広く大きくなれば、それだけ建築費用と光熱費がかさみます。LDK16帖だと狭いので、20帖にしたい。なんてことで4帖広くなれば、坪単価60万なら単純計算で2坪(4帖)×60万=120万追加でかかります。さらに、冷暖房を広さに合わせたものにしなければならないでしょうし、それに伴い光熱費も確実に上がります。

広くすればコストがかかる。単純なことなのですが、実際に間取りを検討しているときには、どうしてもスペースを広くとりたくなる。とても悩ましいですよね。

夫婦子供2人の4人家族が快適に暮らすのに必要な広さは?

そこで、まずは夫婦子供2人の4人家族で、最低限必要な広さはどの程度のものか?を考えてみました。建売でも一般的な、3LDKの間取りを前提に基準を設けています。これは私が間取りを考える上で明確な基準ができたので、その後の検討に大いに役に立ちました。

この基準は南関東、横浜市内に家を建てようとしている私が考えた基準ですので、地方の方々にとっては狭く感じるのではないかと思います。逆に都心に建てようとしている方にとっては、もっと狭くしなければならないかもしれません。住んでる地域によって広さの概念に差はあるかと思いますが、差し引いてご覧いただければ幸いです。

基準1:最低限の広さ

LDK  :14帖:キッチン4帖、ダイニング4帖、リビング6帖
玄関   : 1帖:奥行半間、幅一間
1階ホール: 1帖:玄関ホール兼廊下
お風呂  : 2帖:戸建では一般的な広さ
洗面洗濯室: 2帖:戸建では一般的な広さ
1階トイレ: 1帖:戸建では一般的な広さ
階段   : 4帖:1階、2階に2帖ずつのスペース。これくらいないと勾配がきつい
2階トイレ: 1帖:戸建では一般的な広さ
2階ホール: 2帖:各部屋に行くためのホール(もしくは廊下)
寝室   : 6帖:夫婦二人寝るだけならこれくらいで十分
子供部屋 : 9帖:4.5帖×2部屋
収納   : 5帖:ちょっと少ないかも

合計   :48帖(約24坪)

これが私の考える最低限の広さです。コンパクトですよね。しかし、首都圏で良い立地だったりすると土地も高く狭小地も多いので、このくらいの広さの家もザラです。

LDKは14帖。キッチン、ダイニング、リビングの広さはあくまで目安です。

キッチンは4帖程度あれば、戸建てで標準と言われる幅255cm~270cm×奥行60cm~65cmと収納棚を配置しても通路幅を70~80cm前後とれると思いますが、狭いと感じる人もいるかもしれません。70平米程度のマンションですと、キッチンは3帖程度のところが多かったりしますので、これでも機能的には事足りるでしょう。

ダイニングは4人掛けのテーブルの標準が幅120cm~150cm程度だと思いますが、4帖程度のスペースがあれば配置できます。リビングスペースとの兼ね合いにもよりますが、幅150cmくらいだとスペースに余裕はありませんので、窮屈な印象になるかもしれません。

リビング6帖はものすごく狭いと感じる方が多いのではないかと思いますし、私も検討初期ならそう感じたと思います。しかし、リビングですることって何でしょう?我が家の場合はソファに座ってくつろぎながらテレビみたり読書したり、ゲームしたりする程度です。歩行スペースにもよりますが、3人掛けのソファーとリビングテーブル、テレビボードなんかを置く程度なら、6帖でも十分おさまります。すぐそばにダイニングスペースがある間取りが多いかと思いますが、LDのスペースをうまく使えば8名前後の来客くらいなら十分対応できるのではないでしょうか。来客が多くないなら(多くても月1、2回程度とか)、多少狭くたって気にすることはありませんよね。家族が快適に過ごせるスペースがあれば十分ではないでしょうか。そして将来的には子供が巣立っていけば、夫婦二人暮らしになります。

LDK(リビング・ダイニング・キッチン)トータルで考えることも重要です。LDKは多くのご家庭で家族が長く過ごす空間であり、家のなかで最も広い空間でしょう。そこで考慮しなければならないのが、光熱費です。

たとえば、20帖のLDKでリビング部分8帖を吹き抜けにすると、実質28帖です。さらにリビング階段にしようものなら+4帖程度はスペースが必要。30帖オーバーの立派なLDKの出来上がりです。明るく開放感があり、素敵なLDKでしょう。しかし、コストもその分かかります。14帖のLDKと30帖のLDKでは、空間が倍以上違います。さらに空気をうまく循環させるために、性能がよいエアコンやシーリングファンを設置したり、全館空調を検討しなければならないでしょう。光熱費だけでなくイニシャルコストもあがります。光熱費を抑えるために気密断熱性能をあげれば、さらにコストアップです。

こんな感じで、節約したい人は開放感を求めると高確率で後悔します。予算が潤沢にあり、税金や水道光熱費などを気にしなくてもよい人や、広く素敵な注文住宅を建てて友人知人をお招きしたい!自慢したい!という人以外は、広さや開放感を求めず現実的な視点で計画を進めることをお勧めします。14帖のLDKは狭いですが、その分光熱費は安く抑えられます。節約したい人にとっては非常に大きなメリットです。

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玄関はかなり狭いですね。幅1間(1820mm)でも、横に収納棚を置けば、土間スペースは幅130cm×奥行90cm程度になります。傘立てなんかも土間に置くとなれば、さらに狭くなります。二人同時に靴を脱いだり履いたりできるとは思いますが、余裕はあまりありません。

1階ホールは1帖。これもかなり狭いです。昨今はできる限り廊下やホールのスペースを取らないように設計するらしいのですが、これだけしかないと、リビング階段なんかにしないと難しいのではないかと思います。リビングとホール(廊下)を仕切る場合には、当然ながらもっとスペースが必要になりますね。

収納は少ないですが、階段下を収納にするかトイレにしてしまえば、もう1帖分程度の収納は確保できます。それでも収納家族4人で5帖程度では少ないと思いますので、別途収納棚を増やす必要はあるでしょう。

トイレは1階2階ともに1帖ずつとっていますが、最低限という意味では、少し広いですね。0.75帖でも十分という人は多いのではないかと思いますが、基準としてわかりやすくするため、1帖にしました。洗面とお風呂も同様に、一般的な2帖としました。

2階ホール。各部屋に行くためのスペースですが、2帖は必要でしょう。

寝室は主に寝るだけ、子供部屋はベッドと机を置くスペース程度でしたら、4.5帖程度でも十分です。子供部屋は各家庭によって考え方が大きくことなる場合が多いのですが、ここでは最低限のスペースとして、4.5帖×2部屋としています。

最後になりますが、ホール・廊下スペースは、土地や家の形状によっては間取りに制約がでるため、もっとスペースが必要となる可能性がありますから、プラス1~2帖分は考慮しておいた方がよいかもしれません。そうすると、合計で48~50帖(約24~25坪)程度が、最低限の広さでしょうか。

個人的には、56~64帖(28~32坪)くらいは欲しいと思っています。ただ、先に述べたとおり広くなればなるほど総建築費もあがりますし、光熱費もかさみますので、長く生活するうえではあまり広く大きくせず、コンパクトながらも快適に暮らせる間取りが重要だと考えます。

基準2:標準的な広さ

続いて、標準的な広さを考えてみました。標準というのは何とも難しいのですが、上記の最低限の間取りでは、かなり狭く窮屈に感じる箇所がありますので、そこを重点的に広げてみました。太字になってる箇所が、広くした部分です。

LDK  :18帖
玄関   : 2帖
1階ホール: 2帖
お風呂  : 2帖:
洗面洗濯室: 2帖:
1階トイレ: 1帖:
階段   : 4帖:
2階トイレ: 1帖:
2階ホール: 2帖:
寝室   : 8帖
子供部屋 :12帖
収納   : 6帖

合計   :60帖(30坪)

ぴったり30坪。標準というのはとても難しいのですが、首都圏で建てることを想定して、30坪を基準に考えてみました。だいぶ広くなりましたね。

LDKは最低限の間取りから+4帖。これくらいとれると、だいぶ余裕がでるのではないでしょうか。キッチンの通路スペースを広げてもいいし、ダイニングを広げて6人掛けできるテーブルを置いても、余裕がある間取りを組めそうです。ただ、実際は他の部屋との関係からうまく間取りを組むのは難しいことの方が多いと思いますので、なかなかうまくいかないとは思います。

玄関は1帖→2帖へ。倍の広さです。玄関1帖、ホール1帖というのはマンションにはありがちですが、戸建てでは、かなり狭いと思います。正直、戸建てで家族4人で玄関とホール合わせて2帖(1坪)というのは、狭くて不便なのもありますが、ちょっとみっともないというかなんというか、、、狭小3階建てで、そもそも玄関の間口があまりとれないなら仕方がないと思うのですが、そうじゃないなら玄関とホールは広く取った方が良いのではないかと思うのです。「玄関は家の顔」というじゃないですか。だからこそ、人の出入りだけの用途という短宅的な考えではなく、多少は余裕をもった広さにした方がよいのではないかと思うのです。個人的には、注文住宅だったらもう少し広くスペースを割きたいです。

子供部屋は6帖×2部屋。寝室は8畳あればセミダブルのベッド2つおいても余裕がありそうですね。

これであともう1部屋、和室6畳+収納2帖程設けられれば完璧なんですけどね。35坪~40坪くらい必要になりそうですが、無駄に広くなく余裕ができそうです。

長くなりましたが、間取りを検討するにあたっては、このように何かしらの基準があった方が、迷うことが少なく進めやすいと思うのです。やみくもに、思いつくままに進めると、途中で訳が分からなくなったり、オーバースペックな間取りになったりする可能性が高くなるのではないかと思います。間取り、広さの基準を持ちつつ、自分たちの理想に寄せていく。多くの方が当てはまると思いますが、予算も敷地も限られている場合には、この進め方はおすすめです。

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