イタウバの塗装・耐久性比較開始から丸1年、12ヶ月が経過しました。昨日ハードウッドの耐久性比較記事をアップしましたが、今回は同じ日に同時進行でイタウバの塗装・耐久性比較も実施しました。この比較は純粋にイタウバ材のみの比較で、全て同一サイズの板材をすのこ状にして検証してきました。
↑写真右端から、下記のとおり。
- 無塗装1(メンテ無し)
- 無塗装2(メンテ有り)
- オスモカラー塗布
- ウッドガード塗布
- スーパーウッドステイン塗布
▼イタウバ塗装・耐久性比較で使用しているオイルステインについては、下記の記事に詳しく書いてあります
↑斜めから。今回も右端に室内で保管し続けたキレイなイタウバ材を置いてみました。その隣の黒っぽい2枚が無塗装材です。一度黒っぽくなってからは変化が少なかったのですが、徐々にシルバーの範囲が増えてきました。退色は順調に進んでいますが、ハードウッド耐久性比較の結果どおり、他のハードウッドよりも退色が遅い。
塗装した3枚は、塗装の劣化が顕著。一番左のスーパーウッドステインと隣のウッドガードは、劣化の仕方と質感がそっくり。塗料の成分が全く同じなのではないかと思うくらい似ています。無塗装よりも早くシルバーグレーになっちゃいました。自然な退色とは違い、ちょっと不自然な白さです。
無塗装
↑無塗装2枚。だいぶ色が抜けてきました。細かいクラックがたくさんありますが、指を這わせると滑らかで棘が刺さるようなことはありません。見た目も美しく、退色した感じが好みだったり美しいと感じられる方であれば、塗装などせず無塗装のままでよいと感じさせてくれます。
↑無塗装材アップ。撮影の角度が少しかわるだけでも、色の変化があり面白いです。これもイタウバの魅力の一つですね。細かいクラックが目立ちますが、耐久性は問題ありません。水はたっぷり吸い込みそうですけどねw
オスモカラー
↑オスモカラーウッドステインクリアープラス(外装用)#420を塗布したイタウバ材。これまで優秀だったオスモも、さすがに劣化が目立つようになりました。他の材とは色味が明らかに違います。
↑オスモカラーアップ。塗装は劣化しましたが、汚い感じではありません。このタイミングで再塗装をすれば、また美しい表面が復活するのではないかと思います。来週には再塗装を実施予定ですが、どのような質感になるかとても楽しみです。
↑オスモカラー塗布材の断面。丸1年経過の節目ですので撮影してみました。なんとなくですが、左隣のウッドガードと比べると割れが小さいような気がしますw
ウッドガード
↑ウッドガードクリヤ(油性外部用)。劣化が激しく、もう既に塗装の効果は無くなっていると思われます。
↑ウッドガードアップ。右端の細かいクラックが目立ちます。無塗装と同じような質感。撥水効果は失われていそうな質感です。
↑ウッドガード断面。
スーパーウッドステイン
↑スーパーウッドステイン。ウッドガードと同様に、塗装の効果は既にありません。
↑スーパーウッドステインアップ。クラックはウッドガードよりも少なく見えますが、これは元々の素材の差であり、塗料の性能差ではないと思います。ウッドガードとスーパーウッドステインは、塗料の性能としては差がありません。
↑スーパーウッドステイン断面
イタウバ材裏面
↑全ての材の裏側です。無塗装は水分の浸透と感想を繰り返したためか、裏面も黒っぽいです。塗装3材は撥水効果のおかげか変色があまりなく、どれも大差ありません。
撥水性テスト
今年最後の撥水性テストです。寒いですが張り切っていきますw
↑これまでと検証環境がかわり、日陰でかつ冬ですので乾くのに時間がかかりました。水は2Lをドバドバかけちゃいました。
↑6分経過。夏で日当たりがよいと6分でも結構乾いていたのですが、ぜんぜん乾きません。ウッドガードとスーパーウッドステインは、水をかけたあとの質感まで酷似してます。写真下方向に勾配のついたコンクリートの上で検証していますので、水は下に流れて溜まっています。
↑12分経過。ここでやっと塗装材に変化がありました。
↑12分経過アップ。オスモの上端が乾いてきました。ウッドガードもわずかに乾いてきたか。無塗装は変化なし。がっつり水分を吸い込んでいます。
↑18分経過。オスモとウッドガードの乾きが顕著に出てきました。
↑18分経過アップ。塗装3材ではオスモが一番乾きが早いですね。次にウッドガード。スーパーウッドステインは変化なし。
↑24分経過。オスモは半分以上乾き、ウッドガードとの差が開いてきました。
↑24分経過アップ。オスモとウッドガードですが、乾いた部分の質感にも差があります。オスモは濡れていない箇所は乾いていますが、ウッドガードはしっとりしています。これは材の奥にまで水分が浸透しているか否かの差だと思いますが、はっきりしていることはオスモは1年経過しても撥水性能を維持しているということです。
↑30分経過。オスモはほぼ乾いた感じ。スーパーウッドステインは乾き方が無塗装と似ています。すなわち、1年経過して撥水効果は全て失われたということでしょう。
↑30分経過アップ。ウッドガードは若干撥水効果が残っていそうにみえるのですが、写真のとおり上の白い部分だけは乾いていそうにみえますが、他の部分はスーパーウッドステインとかわりません。材に水が浸透し、ゆっくり乾いているといった感じ。
↑36分経過。乾きが遅かったスーパーウッドステインですが、徐々に色が薄く白っぽくなってきて、乾燥が進んできたことがわかります。序盤はオスモについで乾燥が速そうに見えたウッドガードですが、スーパーウッドステインとの差は無くなってしまいました。
↑36分経過アップ。オスモは完全に乾いています。
↑42分経過。無塗装2材が徐々に乾いてきました。ウッドガードとスーパーウッドステインは、無塗装よりは乾きが早いといった感じ。
↑42分経過アップ。
↑48分経過。ウッドガードとスーパーウッドステインも、ほぼ乾きました。この2つは撥水性能も同等と見てよいでしょう。
↑48分経過アップ。
6ヶ月、8ヶ月経過時点との比較
↑突然ですが、半年前(=6ヶ月経過時点)の写真です。オスモは劣化が全く無いといっていいほどよい状態を保っており、ウッドガードとスーパーウッドステインも、見た目は若干劣化していましたが、撥水性は保持していました。
ここから先、ウッドガードとスーパーウッドステインは見た目も撥水性能もどんどん劣化していきましたので、再塗装をするならこのタイミング(=6ヶ月)が良いと思います。特に見た目の劣化はひどかったので、見た目重視なら再塗装は早いほうが良いでしょう。
↑8ヶ月経過時点の写真とも比べてみてください。オスモはこの時点でも、見た目も撥水性も良好な状態をキープしていましたので、再塗装のタイミングとしては難しいですね。長い目でみたとき、第1回目の再塗装のタイミングはとても重要で、その後の塗装の持ちが長くなるという情報がありました。1回目の再塗装は通常の再塗装サイクルより短く(およそ半分)にするのが良いらしいのです。通常1年だったら、1回目の再塗装は半年後。私は自作するウッドデッキや門柱、フェンスではその情報に従って半年経過後にオスモを再塗装します。その後は塗装の持ち次第ですが、1年毎に再塗装する予定です。
↑イタウバ製の門柱とフェンスの横に、検証用のイタウバすのこを立てかけてみました。門柱は塗装してから1ヶ月程度経過、フェンスは塗りたてです。それらと比べてみると、1年経過後の変化がとてもよくわかります^^
↑1年間、よい状態を保っていたオスモでしたが、こうしてみると結構塗装の劣化が目立ちます。門柱やフェンスはこうなる前に再塗装をしてキレイな状態を保ちたいですね♪
総評
美観(見た目)
1.無塗装、オスモ
2.ウッドガード
3.スーパーウッドステイン
無塗装=オスモ>>>ウッドガード>スーパーウッドステイン
見た目のよさは無塗装とオスモを1位としました。無塗装のナチュラルな退色感は味があってとても良いです^^いまはまだ完全に退色していませんが、その経過も楽しめるということもあり、現時点ではオスモと並んで1位です。
オスモは塗装の劣化が一番遅く、かつ持続性も長いため、ウッドガードとスーパーウッドステインよりも大きく差をつけました。紫外線のカット効果もおそらく高いのではないかと思いますが、色の変化も少なく安定しており、とても良いオイルステインです。
残念なのはウッドガードとスーパーウッドステイン。2つとも同じように劣化が早かったのですが、スーパーウッドステインのほうが見た目の劣化が早かったため、評価に差をつけました。
撥水性能
1.オスモ
2.ウッドガード
3.スーパーウッドステイン
4.無塗装
オスモ>>>ウッドガード≧スーパーウッドステイン>>無塗装
撥水性能は圧倒的にオスモが良かったです。ウッドガードとスーパーウッドステインはほぼ同じなのですが、半年経過時点で若干ウッドガードのほうが良かったので、差をつけました。無塗装は当然ながら撥水しませんので最下位ですw
CP(コストパフォーマンス)
1.無塗装
2.オスモ
3.ウッドガード、スーパーウッドステイン
無塗装>>>オスモ>ウッドガード=スーパーウッドステイン
無塗装は費用がかからないので当然ながらコスト面のパフォーマンスは最高です。
価格の安さではウッドガードとスーパーウッドステインがよいのですが、性能と持ちを考慮すると、オスモとの性能差が大きくCPが良いとは言えません。1年経過時点でも撥水性能が持続し、退色もあまりしなかったオスモは価格は高いかもしれませんがパフォーマンスは圧倒的に良い。しかも粘土が高くよくのびるため、実はCPも結構いい。
ということで、塗装3材の中ではオスモを評価しました。
耐久性
評価なし
ノーメンテでも20年以上もつといわれているイタウバですので、塗装していようがいまいが1年程度で耐久性は評価できません。ということで現時点では耐久性の評価はいたしません。
総合評価
1年経過時点での総合評価です^^
1.オスモ
2.無塗装
3.ウッドガード
4.スーパーウッドステイン
オスモ>無塗装>>ウッドガード≧スーパーウッドステイン
まだ検証期間が短く、耐久性について評価していませんので、ウッドガードとスーパーウッドステインについては厳しい評価になってしまいました。耐久性の差が出てくるのは5年後か、それとも10年以上先かはわかりませんが、おそらくしばらくは上記の順位で変化はないでしょう。
この1年間では、最初に塗装(2度塗り)をしたきりで、一度も再塗装やメンテをしませんでした。これから先は半年に1回のペースで再塗装をする予定です。これでウッドガードとスーパーウッドステインの美観については改善すると思いますが、既にかなり退色してしまっているので、サンダーで結構深く研磨してやらないといけないかもしれません。
これでイタウバ塗装・耐久性比較1年経過時点のレポートは以上です。
次回は3ヵ月後、2018年3月10日前後に更新予定です^^
検証開始~1ヶ月:週1回検証
2ヶ月目~6ヶ月:月1回検証
~1年目:2ヶ月に1回検証
~2年目:3ヶ月に1回検証←今ここ!
~3年目以降:半年に1回検証
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